輸血で病気になる可能性はないのですか?
   
 

 
   輸血など他人の血液が体内に入ることによって病気が発生する場合は、基本的に2つのケースが考えられます。
 第一は、輸血された血液自体がウイルスや細菌などに汚染されているケースです。しかし現在は、HBV、HCVなど原因となるウイルスについては献血段階で厳重にスクリーニングされ事前に汚染血液が排除されており、医療施設で輸血の際に感染するケースはほとんどゼロとなっています。ただし、スクリーニング体制が十分ではない海外での輸血などでは、感染の危険性も残されています。
 第二は、他人の血液が入ることによって起こる免疫反応です。発熱やじんましんなどの軽度の反応は時間とともに改善しますが、急性溶血や輸血後移植片対宿主病(GVHD)では生命の危険もあります。輸血後GVHDは輸血されたドナーのリンパ球(移植片)が排除されずに生き残り、免疫系の働きにより患者の細胞(宿主)を非自己と認識して攻撃する死亡率90%以上の遅発性疾患です。高齢者、初回輸血、血縁者からの輸血、採血後から3日までの新鮮血を輸血する際に危険性が高いとされています。輸血後GVHDは治療法がなく、その予防対策が重要となります。
 GVHDの予防には4つの方法があります。
1) 輸血の適応を厳密にして、不要な輸血は行わない
2) 近親者間の輸血は避ける
3) 予定された手術では、自己血輸血(他人の血液ではなく自分の血液を用いる輸血法)を行う
4) 放射線照射血液を使用する
特に4)は、GVHDの原因となる輸血される血液中の細胞障害性Tリンパ球の増殖能を抑えることを目的としており、現在では最も確実な予防法とされています。


 



 
         
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