この頁はCSLベーリング社の提供資料(2005年5月現在)によるものです。

血液製剤とは、人の血液を原料としてつくられる薬剤です。血液製剤の安全対策として、ヒト血漿分画製剤分野において世界のトップメーカーの1社であるCSLベーリングでは、クロイツフェルト・ヤコブ病が疑われる人を採血時の段階で除外しています。
クロイツフェルト・ヤコブ病が疑われるのは、ヒト由来の脳下垂体抽出物による治療や角膜・脳硬膜の移植を受けた人、神経障害の家族歴のある人、神経外科で治療中の人です。CSLベーリングでは採血前に行う問診で、リスクが想定されるヒトを各国の規制に従い、除外することで血液製剤の安全性を確保しています。例えば、1980〜1996年までの間にイギリスに通算6カ月注)以上滞在経験のある人も供血者から除外しています。この期間にイギリスに滞在していた人は、市場に牛の特定危険部位(脳・眼・脊髄・回腸遠位部)が処理されずに流通していたことから、リスクが高いと考えられているのです。
注) ZLBプラズマ(アメリカ):3カ月以上、
日本赤十字社:1日以上
血漿分画製剤は、製造工程でプリオンが除去されることを確認します。これをプリオンのバリデーション試験といいます。この試験は製品の信頼性を高めるうえで非常に重要です。
ハムスターに、TSE(スクレイピー)に感染したヒツジのプリオン蛋白(PrPSc)を感染させ、その脳をホモジネート(すりつぶすなどの方法で細胞を壊す)したもの、脳ホモジネートから取り出したミクロソーム分画、カベオラ様ドメイン、および精製したプリオン蛋白そのもの(PrPSc)の4種類の試料を加えたそれぞれの場合について、血漿分画製剤の製造工程中でプリオンがどれだけ除去されているかをみたバリデーション試験の成績を示します。
エタノール分画におけるプリオン関連物質の減少係数
脳ホモジ
ネート
ミクロゾーム
分画
カベオラ様
ドメイン領域
精製
PrPSc
寒冷沈殿法 <1.0
<1.0
<1.0
2.4
8%エタノール沈殿 <1.0 <1.0 <1.0 3.1
25%エタノール沈殿 3.6 3.1 3.1 4.0
38%エタノール沈殿 ≧4.1 ≧4.5 ≧4.1 ≧4.6
累計減少係数(log10) ≧7.7 ≧7.6 ≧7.2 ≧14.1
Vey M et al: Biologicals 30 187-196, 2002
いずれの資料においても、エタノール沈殿などの工程により、プリオン蛋白がきわめて効率良く除去されていることがわかります。
製剤により除去係数の大小はありますが、血漿分画製剤の製造工程におけるプリオン関連物質の除去が確認されています。
参考資料:CSLベーリングニュースNo.6


 


 
         
      Copyright 2001(c) Medical Science Publications,. Inc. All rights reserved